Pマークとは
Pマークは正式にはプライバシーマークと呼ばれ、個人情報保護について一定の要件を満たした事業者に対して一般財団法人日本情報経済社会推進協会 (JIPDEC) により使用を認められる登録商標(サービスマーク)のことです。Pマークを取得するためには、基準の規格であるJIS Q15001に準拠した個人情報保護マネジメントシステムが定められ、個人情報の適切な取り扱いを実施した上で審査機関による審査に合格する必要があります。
JIPDECによると、Pマーク制度の目的は以下のように示されています。
- 消費者の目に見えるプライバシーマークで示すことによって、個人情報の保護に関する消費者の意識の向上を図ること。
- 適切な個人情報の取扱いを推進することによって、消費者の個人情報の保護意識の高まりにこたえ、社会的な信用を得るためのインセンティブを事業者に与えること。
つまりPマークを取得している会社は「個人情報保護について一定の基準を満たしている」と判断されますが、逆に個人情報保護について適切な管理がされていない場合、未取得の企業よりも厳しい目で消費者に見られてしまうことになります。
簡単に言うと、TOEIC600点くらいのイメージで考えてもらえばいいでしょう。TOEIC600点だとそれほど英語ができるわけではないですが、ある程度英語はわかると周りの人からは思われるでしょう。もしかしたら簡単な英語の仕事を任されるかもしれません。その時に「私英語全然できません」とは言った場合、会社で信頼を失ってしまう可能性もあるのです。Pマークを持ち、対外的にアピールした場合も同じです。マークを持っていても適切に運用しなかった場合、取引先や消費者から、個人情報だけではなく会社としての信頼性も失ってしまう可能性もあるのです。
Pマークは1998年より付与が開始されていますが、2016年現在では日本全国で約15,000の事業者が取得しており、企業や個人への認知度も高まっています。15,000社というとどのくらいの数字かというと、比較的よく目にする環境マネジメントシステムであるISO14001が約19,000社ですから、「個人情報」という枠組みでおこなわれている認証としてはかなり多い数ではないでしょうか。